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十六才の鉱夫

ポトシ坑道・地獄行きツアーの続き。

狭い坑道を1時間以上も歩き
落ちたら死んじゃうような恐ろしいハシゴを降りたその先で
私達は思いがけないものに出くわした。

なんと!
おじさんが働いている!

・・・鉱山なんだから当たり前。

でもこんな、息もできないような地下深くで人間が働いてるなんて
ちょっと信じられないような気持ちだった。
(普段はたくさんの鉱夫が働いているが、
この日はカルナバルでほとんどが休みをとっていた)

『コカ休憩』をとっていたおじさんは、ガイドの頼みに快く応じてくれた。
ダイナマイトの実演だ。
 「ちょっと、離れてな。
  発破かけるから」
おじさんが坑道の奥に姿を消してすぐ、
・・・ドン!
と低い音が響いてきた。
ちなみにダイナマイトは鉱山近くの売店で、
たしか150円くらいで売られていた。

ダイナマイト

その後、もっと若い鉱夫に出会った。
まだ16才。
彼には父がいない。
弟たちを養うためにもしっかり働かなくちゃならないと言った。
たったの16で!
私が16の時はただのアホだった。
彼はアホになることも許されないのだ。

 「ここにはインターネットもない。
  コンピューターもない。
  エレベーターだってないんだ。
  信じられるかい、この21世紀に!」

とガイドが言った。
この鉱山には、機械を呼べるものはほとんど入っていない。
数百年前と同じ方法で採掘がつづけられている。
ノミとハンマーで掘り、袋で運び上げる。
ほぼすべてが人力だ。

暗く、狭い、息のつまる坑道。
光といえばヘルメットについてる懐中電灯だけ。
朝早くから夜遅くまで、昼食もとらず
コカの葉を噛んで空腹をまぎらわせる。
彼は生涯のほとんどを太陽をみることなく地下で過ごすんだ。
それは想像を絶する世界だった。

16才の鉱夫は、こんな地獄の底みたいな坑道で、どんな夢をみて生きているのだろうか。
質問する勇気が最後まで出なかった。
私は自分が恥ずかしかったからだ。
彼に比べたら遊びみたいな仕事にネをあげて、辞めてしまった自分が恥ずかしくて仕方がなかった。
私たちの問に答えているあいだも、
彼の手は休むことなく鑿を叩き、岩を砕き、
その目は鉱脈を見つめ続けていた。


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| ボリビア | 19:22 | comments:3 | TOP↑

COMMENT

お久しぶりです。
最近ブログをサボりっぱなしのようめです。
コメントもサボりっぱなしです(汗)

旅していると、恥ずかしくなること、ありますよね。
自分探しなんて(この言葉は嫌いですが)、甘えを許してくれる環境にある者の贅沢でしかないわ。
自分の子供みたいな年の子供が働いている傍で遊んでいることがみっともなくて、いたたまれなくなる。
それもたまの休暇ならまだマシですが、私は、仕事を辞めて数年間のフリーター生活の合間に遊びに行っていたので…。
覚悟ができていない、性根が据わっていない、責任感がない…
そんな恥にさいなまれることが多かったです。

| ようめ | 2011/07/10 09:56 | URL | ≫ EDIT

想像もできない過酷な実態ですネ。

かって日本も貧農の子供が口減らしのため人身売買されたり、
繊維工場では長時間過酷な労働が、それこそ14~5歳の子供
がしていた「女工哀史」など思い出されます。

最近ユネスコの世界記憶遺産で筑豊炭鉱の労働の絵が登録
されたましたが、同じ状況にあるのですネ。

| 三田/にしかわ | 2011/07/10 17:13 | URL |

>ようめさん
いや、ようめさんはボランティアなども行かれてて偉いじゃないですか。
途上国の子供達はほんとに必死で生きていて、ほんとうに自分が恥ずかしくなるばかりです。
私達の富は考えようによっては彼らの上に成り立っているのですよね…。
彼らには「自分探し」なんていう言葉の意味すらわからないでしょう。・・・私もわかりませんが(笑)

>にしかわさん
ちょっと前までは日本の子供達もそうだったのですよね。
ヨーロッパでも煙突掃除に子供が雇われていましたし。
ミャンマーで5才くらいの幼児がドブさらいの仕事をやらされているのを見たことがあります。
私もそうですが、恵まれた子供達は学校に行かせてもらえる幸せを知らないのですよね…。

| だだ | 2011/07/10 21:34 | URL |















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