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夜明けのサフランボル

計画を立てるのは好きではない。
細かなことを考えるのが苦手なのだ。
あんまりアタマがよくないんだと思う。
それとも根気がないのか。

えい。
いっちゃえ。

で、てきとうに歩きだしていつもひどい目にあう。

だけどまだ懲りたことはない。

その夜も、バスに乗っていた。
ターミナルへ行って「なんでもいいから今すぐ乗れるやつ」に乗った。
トルコのバスは壊れないから安心してぐうぐう寝ていたら
 「着いたぞ、サフランボルだ!」
突然、叩き起こされ、暗闇の中にほうりだされた。

真っ暗だった。
腕時計は4時半を指している。
世界遺産の町・サフランボル。
噂では、それはそれは美しい町らしい。
暗すぎて見えないけど。

深夜や早朝にバスが着いたときって身動きがとれないものだ。
ばかでかい荷物を解くこともできない。
宿の人が寝ているため、ドアも開かず、チェックインもできないからだ。
扉をガンガン叩いて
 「入れてえー!」
って叫ぶしかない。

しかもこの場合、肝心の宿がどこにあるのかすら分らん。
ガイドブックは持っていた・・・昨日までは。
シリアの日本人から奪い取ったものだったが、
重いし邪魔だしボロボロだし

えい。
捨てちゃえ。

と、捨ててきてしまった。
阿呆である。
今いるところはサフランボル、という町の名前しかわからない。

こんなに真っ暗けの町で、誰に助けを求めるべきだろう?
町のひとはみんな寝静まっている。
私はバスを降りたまま、30分ほどそこで唸ってた。

やがて一つの人影があらわれた。
こころもとない街灯の下に、乞食寸前、みたいなおじいさんが佇んでいる。
不思議そうにこちらを見ていた。
英語はきっと通じないだろう。
私は足元を指差して
 「ここ、チャルシュ(町の中心)?」
と聞いてみた。
ボロボロのおじいさんは「チャルシュはあっち」と指差したあとに
 「タクスィ」
と言った。
遠いからタクシーで行けということらしい。
でも私はペトラで怖い目にあったため、タクシー恐怖症にかかっていた。
それで町の中心まで歩いて行くことにした。

ボロボロのおじいさんは困った顔をして、
道が分かれるところまで案内してくれた。
角をまがると突然、視界が明るくなった。
眼下に谷がひろがっていた。
 「あの丘をぐるっとまわった裏側がチャルシュだ」
おじさんの小汚い指がさす方向には、うまれたばかりの朝日に輝くバラいろの町があった。

・・・なんてこった。
ここはきれいすぎる!

夕暮れになずむサフランボル
(この写真は、実は夕焼け)

へんな所でバスを降ろされたけど
暗い街を歩くのはちょっと怖かったけど
中心部まで歩いて1時間もかかったけど
暁があんまりきれいだったので
すべてが帳消しになり

 「ま、いいや」

と思ってしまうのだった。

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